ドイツ人に学ぶ、日本の陶磁器 セラミックアートの楽しみ方 (日本の伝統工芸品 珠洲焼すずやき編)How to Enjoy Japanese Ceramic Art (SUZU Pottery)Learn from German

こんにちは。SHIHA TEAPOT SHOPです。
海外の方が日本の陶磁器 (セラミックアート)をどのように楽しまれているかをご紹介します。
今回は石川県の伝統工芸品、珠洲焼(すずやき)についてです。
まず、珠洲焼について知りたいという方は、下のブログからご覧ください。

やきものの印象 (珠洲焼)
突然ですが、皆さんは以下の珠洲焼の写真を見てどのような印象を持ちますか。どこが好きで、どこに美しさを感じますか。
やきものの鑑賞の仕方、感じ方というのは人それぞれです。
ぬくもりを感じる、落ち着いている、形が好きなど、それぞれが様々な感じを受けると思います。
もし「黒い」という言葉だけが浮かんだとしても、鋭い黒、柔らかな黒など、まだ言葉には置き換えてないけれど、感じとった雰囲気があると思います。
私個人は、静かさ、素朴さ、深い質感などに心が癒されるような気持ちになります。
磁器との比較
珠洲焼は、下の写真のような磁器、装飾が施されたやきものから受ける印象とは、違った感じを受けると思います。
これらの色、華やかさ、輝きなどは、また心に別の喜びをもたらします。
ドイツのお客様を通じて知るやきもの
最近ドイツの方が当店で珠洲焼の花入れを購入してくださいました。

そのお客様が珠洲焼を指定し購入されたので、どのように珠洲焼がお好きなのか尋ねてみました。(花器-篠原敬SHINOHARA TAKASHI作)
お返事に印象を沢山書いてくださり、写真も送ってくれました。
ドイツの方の珠洲焼の楽しみ方を通じて、「やきものの楽しみ方」を見てみましょう。
ドイツ人がみる珠洲焼の印象 楽しみ方

(原文は英語です。緑色が英語から日本語への訳文です。)
For me the work of Mr. Shinohara is special:
私にとって篠原さんの作品は特別です:

1) The black/grey/ash color is discreet and pure, but with the ash glazing it becomes very unique and exciting. The color of the clay and the glazing fits perfect together.
1)黒、グレー、アッシュ それらの色が控えめでピュア。
ですが自然釉*があることで、とてもユニークでエキサイティングになっています。
土と自然釉の色彩がパーフェクトに調和しています。
(*自然釉とは、やきものを薪で焼く時、薪が燃えて灰になり、器の上に降り落ちて多様な色彩や模様となるものです。下の花器の上半分には自然釉がたくさんかかっています。)

2) The feeling if you touch it is natural and soft. It sounds a little bit weird, but it feels so warm and nice in your hands. it makes fun to touch and feel the material.
2) 触れたときの感触が自然で柔らかい。
少し妙に聞こえるかもしれませんが、手の中でとても温かく心地よさを感じます。

3) Round and calm, it’s like things in nature. Because the vase is round, but it is not 100% perfect round. It does not have the 100% symmetry like industrially manufactured products. Like nature which is not always perfect. Due to that you can see that it is handmade.
3) 丸く穏やかで、まるで自然の物のようです。
なぜなら花器は円形ですが、100%完全な円形ではありません。
工業製品のような完全な対称ではないのです。
常に完璧ではない自然のようです。
そのような理由で手作りであることが分かります。

やきものの鑑賞方法 楽しみ方
ドイツのお客様が珠洲焼を深く味わっていることが分かりました。
どのような視点で楽しまれているかは、
- 色 (土や自然釉、色彩)
- 形
- バランス
- 質感
- 手触り
- それらの調和
- 部分的な印象
- 全体の印象
- 心に触れるもの
- 思い浮かぶもの
- 気持ちの変化
- 器に中に自然の美を見る
- 何かと比較し相違点を楽しむ
- 手作りの感触
- 作り手への想い
このように捉えました。また日本の器ということもあり、器を通して日本を感じていらっしゃるのではないかと想像しました。
何かと比較するという点は、意識的にでも、無意識でも、ご自身の環境にあるものだったり、ドイツの陶芸作品との比較という場合もあると思います。日本人の場合、日本の他の陶芸作品などに似ている(親しみ)、違う(目新しさ)などを感じるかもしれません。
陶芸作品の楽しみ方が分かれば、より心の中に喜びが生まれます。
空間に置かれた器を目が捉え、うれしくなる。そのような時間があることは素敵なことだと思います。
以上、ドイツの方に学ぶ、日本のやきものの楽しみ方でした。
Mr. AS, Thank you very much for sharing your feeling to us.
以下は、オンラインストアの珠洲焼ページです。[篠原敬氏の作品販売中]