珠洲焼 篠原敬氏 メッセージ いま伝えたいこと 2025年2月 「地震から未来へ」

Shinohara Takashi – A Message from the Heart, February 2025. ENGLISH version at https://shihateacomfort.com/shinohara-february-2025
篠原敬氏の、いま伝えたい想いについてお伝えします。

背景 2022-2024年の地震

2024年1月の地震により、篠原敬氏の窯が倒壊し、自宅も損壊しました。現在、仮設住宅での生活をし、2025年3月に窯の再建を始める予定です。

珠洲焼 篠原敬氏の作品、地震の影響、これまでの活動と今後の計画について下記のブログをご覧ください。

【珠洲焼(すずやき)とは】作品集 茶器 花器 石川県 美しく黒いやきもの
https://shihateacomfort.com/suzuyaki

篠原敬氏 メッセージ いま伝えたいこと (2025年2月) 動画

篠原敬氏 メッセージ いま伝えたいこと (2025年2月)

私は中世珠洲古陶の美しさの一つは凛としたその立ち姿にあると思っています。

さらに灰黒色の静かな佇まいは観る人を奥能登の情景へと誘います。

平安時代中庸から室町時代後期にかけて隆盛を極め、長い眠りの時を経た後、多くの人々の想いが重なり合って現代に甦った珠洲焼は、かつての奥能登を象徴する歴史文化遺産であるとともにこれからの奥能登の魅力を発信する一翼を担ってきました。

今回の震災で珠洲焼窯元も大きな被害を受けましたが、震災を機に能登の工芸が日本のみならず海外からも注目されるようになった今、窯の再建とそこから新たに生まれる珠洲焼が復興のシンボルとなるよう力を尽くしたいと思っています。

私は奥能登の風土の中に陶工が身と心を委ね、そこから生み出される作品に唯一無二の価値を見出したいと考えています。
また独りよがりの作品ではなく、時代に寄り添い時代の空気を感じつつ時代は何を求めているかを敏感に捉え、それを作品に反映させること。

さらにこの土地で自分はどう生きるべきか、震災後の能登の未来はどうあるべきかというメッセージを作品に託すことも怠ってはなりません。それらが合わさって生まれた作品には必ずや人の心に届き人の心を動かす力が宿ることを信じつつ、心して土と戯れたいと思っています。

珠洲焼游戯窯 篠原敬

仮設工房(左)、工房(右)

珠洲焼 篠原敬氏 作品

その他の作品については、こちらのブログでもご覧になれます。
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