お茶を淹れる 電気ケトル比較 ティファール、タイガーわく子、ラッセルホブス。ポットの注ぎ口 水流の細さ美しさ、持ちやすさ 。温度調整のメリット。 おすすめは。

こんにちは。志葉急須店 です。今日はお茶用に使う湯沸かしポットの比較についてです。

比較する3モデルのケトル

私が使っている3つのケトルの使用感を紹介します。個人的な感想ですので、用途や ご自身の 重視するポイントに応じてお選びください。比較は以下の3つです。

タイガー魔法瓶:電気ケトル わく子 (0.6ℓ)「PCM-A060」
ティファール(T-fal) :電気ケトル (0.8ℓ)
「アプレシア プラス」
ラッセルホブス:電気カフェケトル(1.0ℓ)

最後にタイガーわく子のモデル4つを一覧化しています。

背景: ラッセルホブス は仕事用として使っています。 家で数年ティファールを使っていたのですが、水流の幅が大きいので、画像で見た感じ水流を細くできそうなタイガーわく子に変えました。 現在、家庭使用ではどちらが良いのか両方使いながら様子を見ています。

お茶用として、水流を基準にした取り急ぎランキング

これまでの比較では、お茶を淹れるにあたり水流がコントロールしやすいのは、まちがいなくラッセルホブスです。次にタイガーわくこです。ラッセルホブスは美しい水流が作れます。写真をご覧ください。

注ぐ時の水流比較(水量、よじれ、落下点)

水流の重要性

日本の緑茶(煎茶)の茶葉中の一部の苦み成分は、衝撃を与えると多く出ます。急須中の茶葉を水圧や水流で動かす・揺らすことも衝撃です。急須中の茶葉の動作( 動く・回る・踊る)と味の関係をみてください。熱いお湯でも茶葉を揺らさないと、揺した場合との比較では苦みは少なくなります。しかし苦みは少なければ少ない方が良いというわけではありません。バランスが大事とされます。(うま味、苦み、渋みなどの調和)

(紅茶のジャンピングなどのように茶葉動くことが良いとされる茶種もあります)

水流を細くする、ゆっくり入れる、狙い通りの位置に落とす - このコントロールができると、自分好みのおいしいお茶へ近づきます。コーヒーのドリップでは水流が注目されますが、お茶も同じです。

水流(水柱)の美しさとは
お茶の位置づけを ① 生活上の飲食 ② 娯楽 楽しみ ③ 修養 芸術 精神性 と分類すれば、数字が上がるほど道具や動作や水流などのこだわりが大きくなるように思います。

海外の方が日本茶や中国茶を淹れる時、多くの人が水流にこだわります。海外の方にとって日本茶は②③が中心ですし、中国の茶芸では水流の美や重要性を学びます。

ラッセルホブスの水流

ラッセルホブスは、注ぎ口が長く、カフェ用に作られているので、少ない水量を出す場合でも、細めの水流がきれいに作れます。水もよじれておらず、まっすぐな水柱です。注ぎ口からそのまま下に向けて落水するので、水を落としたいポイントが狙い通りになります。

水流の強弱コントロールはしやすいです。狙い通りに落とすにはこの3つの中ではラッセルホブスしかできません。水流を穏やかにゆっくり入れると、緑茶はまろやかになると感じます。

ラッセルホブス

わく子の水流

タイガー魔法瓶のわくこは、 ティファールとの比較では水流を細く出せます。ラッセルホブスと違い、注ぎ口直下ではなく、離れた位置に落ちます。 (弧を描くようにと言えばおおげさですが) 少し水柱がよじれているので、すーっと落ちてる感じはないです。 (写真で水柱のよじれが見えます)。最後の100mlほどを出すときは、 水柱の安定はなく、落下点もかなり動きます。

ちなみに、急須でもお茶を注ぐ時に水柱のよじれがないものが良いとされます。すっと落ちる水流は美しいですし、「静」とされます。視覚的な「静」は心も穏やかにします。

しかしお茶専用でなく、生活用の電気ポットですので、そこは要求しているわけではありません。

以下は水流が中くらいの場合です。水流のコントロールはハンドルの持ちやすさも関係します。

ティファールの水流

ティファールの幅広い水の出方をすることと、後引き・水垂れ・裏漏り(水が注ぎ口の裏や本体に沿って流れる)が気になわくこを購入しました。ティファールはゆっくり傾け少量を出そうとすると後引きするので、ある程度の勢いをつけて傾けることが必要です。静かに少量を出すのは叶いません。

ケトルから湯冷まし、片口、ピッチャーに入れてから注ぐ

気に入ったケトルの水流がコントロールしにくければ、一旦ケトルから湯冷ましやピッチャーまたは片口に湯を注ぎ、それから急須に注ぐと良いと思います。片口と言えば日本ではお酒の酒器に属しますが、海外の中国茶や日本茶を淹れる方は公道杯や湯冷ましとして利用されます。当店も茶器として取り扱っています。片口はきれいな水流ができると思います。

気づいてなかったティファールの利点

なぜティファール社がこのようなカーブが丸い注ぎ口にしたのかずっと気になっていました。しかし、今回の比較で、この注ぎ口であることで、たくさんの量や全量を出したい時、ストレスなく素早く出ることに気づきました。他のケトルではこんなに早く出ないことが分かったのです。

ティファールは大量出水だと力を発揮します。例えばお鍋に沸かした湯を入れる時。わくこだと水流が小さいので待ち時間が長いです。マグカップにティーバッグを入れて注ぐ時も、ティファールは素早いです。忙しい生活を送る方に、速さは魅力です。

ティファール 後引きしないテクニック

今まで恩恵を感じずにいたティファールの持ちやすさと大量出水。やはりこれは魅力ですので、引き続き使い、後引きしない注ぎ方のテクニックを身に付けるべきと考えました。

どのタイミングで後引きがが起こっているかは、①注ぐ時 ②注ぎ終わってケトルを戻すタイミングです。①は傾ける速度を若干早くすると後引きしません。②はクッと切れよく超高速で角度を戻すことで成功率は高まります。

温度調整モデルの注ぎ口

ところで、ティファール社のアプレシア エージー・プラス コントロールという温度コントロールができるモデルがあります。注ぎ口の説明が気になり紹介します。

湯切れ良いスリムな注ぎ口」とあります。このブログで紹介している「アプレシア プラス」のU字の注ぎ口とは異なるようです。スリムという点がこちらのキーワードと思います。

同じくティファールのジャスティンプラスコントロールというモデルも温度調整ができます。「湯量をコントロールしやすい注ぎ口」「スリムな注ぎ口」との説明です。


温度コントロールモデルは、デロンギ社のアイコナというモデルもあります。こちらの価格は1万円を超えてきます。

こちらはカフェで使ったことがありますが、かっこいいと思いました。スタイリッシュなので視覚的満足感も高いと思います。キャッチコピーは「注ぎやすさとデザインにこだわった、デロンギ史上初の細口ケトル

そしてその注ぎ口の説明は…

「狙った場所に、注ぎたい分量を注げるように、注ぎ口の形状にこだわりました。コーヒーをハンドドリップする際にお湯をコントロールしやすく便利です。また、カップや急須に注ぐ際にもこぼしにくく快適です。

お茶は湯温で味が変わるので、好みの温度に設定されているとひと手間なくなり気が楽になります。

温度調整モデルで自宅が緑茶ラボに☆

話が脱線しますが、お茶の話です。私は緑茶を淹れる時は、お湯をケトルから一旦湯冷ましに入れます。そしてその時飲みたいお茶の味を作る温度に落ちるまで待ちます。きりっとした味なら80℃程度、うまみを強調しないなら70℃。目指した味になる時もあれば、ならないときもあります。

この時の温度調整は経験と勘です。時には下記のような放射温度計を使う時もあります。お茶の研究をする時にはデジタル秤を使い茶葉量を量ります。

湯温がケトルで固定できると、好みの淹れ方(抽出条件)を早く見つけることができるはずです。

例えば、茶葉量(3g)湯量(100ml) 浸出時間(1分)に固定し、70℃の時の味、75℃の味と見ていくと、温度による傾向や茶葉の持ち味が捉えやすくなります。そして75℃が好みなら、次回も75℃に設定すれば同じ味が再現できます。温度を自分の勘に頼っていると、ぶれが大きく再現できない場合があります。

一旦自分の好みの抽出条件が分かれば、それを軸にして、今度は茶葉量の増減、時間の調整で違う味を作れます。温度が数値化されることで購入した茶葉のことをより理解でき、楽しみも広がります。

(茶の品種やブレンドが変われば、おいしく淹れる抽出条件も変わります。)

緑茶は一袋100gで販売されていることが多いですが、1回5g使用するとしても20回以上淹れられます。温度調整モデルがあれば、自宅が緑茶ラボ(研究室)になります。研究しながら心と体へのよい影響が得られます➡ 日本の緑茶は”マインドフルネス”、”スーパーフード” などの観点から欧米でも注目されています。(特にカテキン、アミノ酸の効果など)

ざっくりですが、温度が高いと(80℃以上)苦み・渋みフレッシュ感(カテキン、カフェン)が多く出ます。うま味であるアミノ酸は温度にかかわらず出てきます。

うま味、苦み、渋みなどの良いバランスを見つけることがお茶を淹れる技です。

本題に戻ります。

温度コントロール + 水流が良い注ぎ口 が お茶を楽しむケトルとしての理想に近いと言えるのでしょうか。私も温度調整付きを買いたくなってきました。

ハンドルの比較 (持ちやすさ)

さて、これまで水流ばかりを気にしていましたのですが、わく子との比較で、ティファールの方が手に負担がないことが分かりました。

ティファールの持ち手の上部に角度があることで、そこに指をかけると「ひっかける(ぶら下げる)」ような動作で持ち上げることができます。ひっかけ持ちだと、斜め上方に引き上げる動作で持ち上がり、力が少なくて済みます。そして同時にホディが傾くので注ぐまでの動作が早いです。

一方わく子は、黄色い丸印の部分が相対的に下方にあり、またその箇所のカーブで、かけた指がより下に流れ、注ぐにはハンドルを「握る」ことになります。 横から握って持ち上げる動作になります。たくさん水を入れた状態だと重いので、少し腕にストレスがかかります。

軽さという点があるので、高齢の方にはティファールを勧めたくなります。わく子はまだ使用期間が短いので、慣れていくと負担のない持ち上げ方が分かるかもしれません。

ちなみに、わく子は蓋のボタンを押してからでないと水が出ません。転倒しても湯がでないという安全機能の為です。

全量出し切るための傾け具合(傾斜角度)

100ml入れて(残った状態で)注ぐと、ケトル本体を90° 傾けてもわく子は10ml程しかでません。残りは角度90°以上傾ける必要があります。ぐっと腕か手首のひねり、自然な姿勢ではなくなります。 (水流が細いので出し切るにも時間はかかります。) 200ml必要な時は300ml沸かし、100ml残したままにするという選択をするかもしれません。

ティファールは90°傾けるとで100ml中の90ml程はでます。残りの10ml程は90°以上にするとさっと出ます。

蓋の使いやすさの比較 (開けやすさ)

ティファールの蓋が外れないのは長所と短所があります。長所は、ぱかっと簡単動作で開く、蓋の置き場所に困らない。短所は蛇口から水を入れる場合、浄水器などが蛇口についていると入れにくいことでしょうか。

わく子に蛇口から水を入れる場合、意外に蓋の置き場が困りました。キッチンが散らかっていると、置き場がなく、しかも蓋を下に向けて置くと衛生的にどうかと考え、上に向けて置くと手間取ります。蓋をするときも方向が分からず、やり直しが発生します。ただ慣れていくことで、正しい方向は分かってくるかとは思います。(追記:その後の内側の穴ですぐに判断できるようになりました)

少々マニアックになりますが、わく子の蓋と本体の一体感、デザイン、収まり具合は安心感や安定感があり良い感触をくれます。

ちなみに、タイガーの使用説明書では、一旦別の容器に水を注いで、それをケトルに移すようにとありました。この場合は、片手に蓋を持ったままケトルに水を入れることができるので、蓋の方向は迷わないと思います。

ラッセルホブスの蓋は金属製でタイトな感じなので、若干取れにくい(開けにくい)ですが、仕事用であり大きな問題ではありません。 家用のケトルは私以外も使うので、簡便性を重視しています。

電源プレートの比較

ティファールの方が、中心を狙わずに置いてもはまってくれます。タイガーわく子は中心の突起にはめに行かないとはまらない感があります。ここはちょっとした違いだけです。ゆっくりした状態で使うなら大差は感じないかもしれません。料理をしながら、湯を沸かして、あれしてこれしての状況だと、ぽんと置いてはまってくれるのはありがたいです。直径はティファールが小さいです。ケトルを外した姿の印象も違います。

ティファール(左 )わく子(右)

重量の違い (本体重さ)

わく子がなんとなく重いと感じていたら、このような差がありました。電源プレートは含んでいません。ティファールは0.8リットル容量なのにより軽いです。取っ手の持ちやすさもあるので、注ぐ時の体感重量は実質重量より軽く感じると思います。しかも早く出るので、持ち上げている時間が短いです。

タイガー魔法瓶: わく子 (0.6ℓ) PCM-A060約 695g
ティファール : アプレシア (0.8ℓ) 約 556g

体感重量は、ケトルを置く場所の高さと注ぐ器の高さも関係します。高い位置にある方が重く感じると思います。また、ケトルを持って注ぐまでの移動距離も重さの感触に影響すると思います。

個人的まとめ

簡単にまとめると、水流が細い方が良い方や後引きが困る方は、タイガーわく子を、軽さや持ちやすさを望む方はティファールを。コーヒーや緑茶専用で使いたい方はラッセルホブスを。という感じでしょうか。

大きめのティーポットや土瓶など使う方はティファールだと早く入ります。

デザインの好みや湯沸かし時間の要素もあるので、ベストなものどれかは色々検討してみてください。それぞれ長所が違います。

私は現在まで、数か月ティファールわく子 を併用稼働させている状態ですが、家で急須で緑茶や中国茶を淹れるには、わく子をを選びます。後引きのことに気を払わなくていいので気持ちが落ち着きます。色(アッシュグレー)と形(0.6リットルのコロっとした感じ)も好きなのでテーブルで使う時はわくこです。

ティーバッグ、その他の利用にはティファールを使います。「水を入れる→お湯を使う」までが簡単に早くできます。キッチンで使用すれば、後引きしてもすぐ拭くことができます。

付録:タイガーわく子 型番・画像一覧 比較 (品番PCMとPCL)

PCMとPCLの2モデル4点を整理してみました。

わく子を購入するにあたり色々なサイトを見ましたが、この4つの品番と外観(似てる)と容量が整理できず選ぶのに時間がかかりました。

このシリーズのの光を反射しないマットな質感や形は良い雰囲気です。インテリアになじむという点はその通りだと思います。市場価格は容量が大きい方が高い傾向にあるようです。

わく子 PCM-A060 ➡ 0.6リットル(コロッとした形状)

高さ16.7㎝。こちらは、このブログで比較紹介している型式です。背が高くなくて安定感があります。アッシュグレー〈HA〉とマットホワイト〈WM〉です。ピンクは0.6ℓにはないようです。

わく子 PCM-A080 ➡ 0.8リットル(注意:0.6ℓと形が違う)

高さ18.5㎝。気を付けなければいけないのは、上のPCM-A060 (0.6ℓ)の形を見て気に入り、大きいサイズの方が良いと思って0.8ℓのPCM-A080を注文してしまうことです。形が違います(縦横比率が違います)。違いを認識の上購入してください。私は背が低い0.6リットルの形が好きで購入しました。0.8ℓにはシェルピンク〈PS〉という落ち着きある可愛いピンクもあります。

わく子 PCL-A100 ➡ 1.0リットル

高さ21.6㎝。マットホワイト〈WM〉、スレートブルー〈AS〉、サンドベージュ〈CS〉 サンドベージュは1.0ℓのみのようです。

わく子 PCL-A120 ➡ 1.2リットル

高さ23.0㎝。こちらはPCL-A100(1.0ℓ)とのデザインの違い(縦横比率、形)は少ない気がします。

重い、手間がかかることは味わいなのかも

(後日追加)上の内容の方向性とは異なりますが、最近はこれまで「軽い・簡単・手間が少ない」を良しとしていたのが、「重い・簡単でない・手間がかかる」にもそれぞれメリットがあるとも感じ始めました。ステイホームで時間の使い方や価値観が変わってきたからでしょうか。

では、みなさま良いお茶の時間をお過ごし下さい💛
以上、ケトル比較でした。

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