急須の蓋の穴(空気孔)の位置はどの方向?Position of a hole on lid of teapot

現代の常滑焼急須の孔は、ほとんど注ぎ口の方向に合わせて作られています。蓋とボディの模様をあわせると孔が注ぎ口方向に向きます。

常滑焼

無地の急須も注ぎ口側に孔が合わせるのが標準です。

常滑焼

現在、Shiha Tea and Comfortで取り扱っている常滑の急須は、全て注ぎ口側に孔があります。万古焼の急須も同様です。

万古焼

40-50年前の常滑焼急須は180度反対側、つまり注ぎ口の逆位置についていたそうです。
孔をどこにするとお茶の出が良いか、操作をしやすいか、おいしく淹れられるかなど、常滑の作家さんたちが時代時代の価値観を反映して、孔の位置も変わってきたそうです。

40年以上常滑急須に携わる方から、下記のようにその変遷を教えていただきました。

注ぎ口の反対側(40~50年前) → 取っ手側(20~25年前) → 注ぎ口側(現在)

常滑焼

40年以上の急須を作られている、ある常滑焼の作家さんからもお話をききました。

「40年程前(1970-1980年)は、世の中のニーズに合わせて、茶がさっと出るように、急須の反対側に穴を開けていた。その後は、取っ手の近くに穴が有ると、指で穴を押さえて、出るのを調節、または止めることができるのでそうなってきた。今はゆっくり丁寧に入れようという流れかな。注ぎ口の方に穴を作るようになったね。」

常滑焼

時代ごとに人々の生活の中のお茶の位置づけが変わっていることや、常滑の急須作りには、その時代の使い手のニーズが反映されているということが分かるとても興味深いお話でした。

経済成長が大きかった1980年代は一人あたりの茶葉の消費量も多く、現在よりもたくさんお茶が飲まれていた時代でした。現在とはお茶のいただき方が違ったというのは頷けます。

ちなみに取っ手の形や長さについても時代による変化がありますが、それはまた次回にご紹介します。

京焼・清水焼

備前の急須に関しては、現地の作家さんに特に統一された孔の位置があるわけではないとの話をお伺しました。下のように注ぎ口の右斜めに位置するものもよくあります。

お茶を淹れる時や、急須の写真を撮るときは、孔を本来の位置に合わせると視覚的な落ち着きや調和感も出ると思います。

以上急須の穴の位置に関するお話でした。