珠洲焼とは(中世と現代)黒い無釉のやきもの。六古窯と比較。Suzu ware, Comparison to Six Old Kilns in Japan.

こんにちは。急須と茶器の店、Shiha Tea & Comfortです。本日は石川県の能登半島の先端で作られる珠洲焼(すずやき)の紹介です。

現代の珠洲焼(すずやき)

まずはこちらの現代の珠洲焼の器をご覧ください。篠原敬(しのはらたかし)さんの器です。

珠洲焼の特徴は、黒い、無釉、薪窯で焼いた、グレー緑ピンクなどの自然釉。(薪の灰が窯の中で器にかかったもの)黒地に掛かった灰はとても美しく華やかに見えます。

中国のお客様から頂いた言葉を借りれば美しいが、艶やかとは違う、質朴で静かな美

中世の珠洲焼(すずやき)

中世の珠洲焼の 壺 や甕 が、渋谷ヒカリエの「珠洲焼展覧会」で見れました。やはり、その特徴は同じです。 黒い、無釉、薪窯で焼いた、自然釉。 そして壺、甕は 底が小さいという特徴が入ってきます。

上の篠原敬さんの急須の下部は、珠洲焼の原点のフォルム、小さく締まった底が再現されています。

底部に向けてのシャープさがあるラインは「The珠洲焼」な感じです。

これらは12世紀~15世紀初のものです。写真はライトとカメラの問題で、色や自然釉がはっきりしませんが、実物から受ける印象は、やはり質朴で静かな美 でした。

より早い時期のものは黒というよりグレー。鉄分が多い(そして窯の温度が高いと)より黒くなると説明を受けました。15世紀に近づくと、窯の温度も高く上げれるようになってきたとのことです。

鉄分が多い土は、還元焼成くなります(窯の中に酸素が少ない状態)。窯の中に酸素がある酸化焼成だとくなります。珠洲焼は還元焼成をします。

最後の写真の四耳壺(しじこ)は黒々とした部分が多く、表面の光沢もあり深みがありました。(写真では分かりづらいです)

この展示品は、通常石川県珠洲市の珠洲焼資料館で見れます。今回のヒカリエの展示会に行けなかった方は、是非、能登半島の自然と珠洲焼鑑賞を楽しみに行ってみてください。

六古窯と珠洲焼(すずやき)の比較

日本の六古窯となっているのは常滑焼、信楽焼、丹波焼、越前焼、瀬戸焼、備前焼です。東京国立博物館(トーハク)に珠洲焼+六古窯+猿投窯の展示がありました。

この比較展示には感動です。比べてみると、はっきりと 珠洲焼の特徴 黒色と底の締まった感じが見てとれます。さあ、どれが珠洲焼でしょうか。

六古窯 珠洲 猿投

一番左が珠洲焼です。その他は別のブログで写真を追加して掲載予定。

平成~室町時代のやきもの(大壺、大瓶の魅力)に堂々と珠洲焼が入っています。 下は、トーハクの解説文です。

500年の沈黙「幻の古陶」

実は、珠洲焼は15世紀に突然途絶えてしまいました。「忽然と姿を消した」「幻の古陶」などと言われていました。現代の珠洲焼は、約50年ほど前に復活したものなのです。 長い間知られておらず、現代その存在が明らかになり、そして復興をとげたのです。

今年2019年5月に 、復興までの道のりが朝日新聞にシリーズで特集されました。復興に人生の大部分を捧げた人、関わる人の様々な苦労や想い。それが分かるとても良い記事でした。

1998年発行 ほんやきもの史(監修 矢部良明氏)での珠洲焼の解説(下記抜粋)を、珠洲焼ファンとして嬉しく思っていました。今回トーハクの展示をみて、中世での珠洲焼の存在の大きさが、より明らかになったのだと感じました。

この六古窯の名声に隠れて、その存在を知られていなかった古窯に…(中略)石川県珠洲市の珠洲焼がある。

ちなみに須恵器系の窯としては…(中略)なかでも、造形的にとくに抜きん出ているのは、やはり、石川県の珠洲焼である。その黒光りする素地肌鋭敏なエッジを利かせた造形と、重厚な作りの大壺は人をして感動させる迫力がそなわっている。

以上、珠洲焼のお話でした。

See Teapots 店舗情報